XM為替レポート 2018年1月

XM為替レポート 2018年1月

2018 1月 17 – XM月間為替レポート

2018年為替相場展望

2017年は、主に米ドル安の影響を受け、ユーロ/米ドルやポンド/米ドル等の主要通貨が、史上最安値から回復する展開に。

同様に、円相場も強い売り圧力に直面し、ほとんどの主要通貨に対して下落した。

ファンダメンタルズと、テクニカルの両面において、2017年は最もイベントの多い年であったといえる。

以下、注目すべき重要なイベント:

  • トランプ氏の米国大統領選挙当選、米ドル相場への大きな影響
  • 2018年に予定されているFOMC政策金利の引き上げと、タカ派な姿勢
  • 緊張が高まる北朝鮮情勢に対する地政学リスク
  • ユーロ圏マクロ経済においての大幅な改善に伴い、ユーロが主要通貨に対して上昇
  • 英国のユーロ圏離脱と、ポンド/米ドルの緩やかで安定した回復の動き
  • 日本の経済回復に兆しが見られる一方、日銀の消極的な姿勢と円売り優勢相場
  • 仮想通貨市場の盛り上がりと市場シェアの拡大に伴う、為替市場への影響

 

2017年USD, EUR, GBP, JPY の動向

USDは弱気相場。EUR, GBP, JPY, CHF, CAD, AUD, NZDに対し、全体的に下落傾向が続き、下落率は45%以上

EURは、最も好調な相場となった。USD, GBP, JPY, CHF, CAD, AUD, NZDに対し、全体的に上昇傾向が続き、上昇率は60%超え

GBPは堅調に回復し、上昇率は約25%

JPYは強い売り圧力を受け、下落率は概ね18%

トランプ氏の当選と米ドルへの影響

トランプ氏の当選と米ドルへの影響

2017年は、衝撃的な幕開けとなった。トランプ氏の米国大統領選挙当選に、世界中の投資家の注目が集まった。

為替市場ではボラティリティの高い相場となったものの、2017年1月以降の米ドルは弱気相場が続いていた。

トランプ大統領は、過去数回にわたって、米ドルの上昇について言及し、米ドル高が与える米輸出企業に対しての悪影響について公言した。

米国大統領が自国通貨についてこのように公言することは初めてであったこともあり、米ドル相場に非常に大きな影響を与えた。

税制改革: 最も話題を集めたトランプ政権の動きは、2017年12月に導入した、税制改革法案の成立だ。

内容としては、連邦法人税率を35%から21%へ引き下げ、高所得者の個人所得税最高税率も37%へ引き下げた。

トランプ大統領は、減税により、事業への投資が増え、賃金も上昇し、結果GDPが上昇すると主張しているが、連邦機関は、長期的な米経済にどのような影響を及ぼすかは不明だとしている。

これらの大胆な政策は、トランプ大統領の影響力を表している。2018年もトランプ政権は、次々と新たな政策を打ちだすことが予想され、ドル相場にどのような影響を与えるのか今後も行方が注目される。

政治的緊張: トランプ大統領は、北朝鮮やロシアを巡る緊張の高まりなど、多くの地政学的な問題に直面している。ロシアのプーチン大統領とは、様々な場面において対立する中、特にロシアがシリアへ2年にわたる介入を行い、中東においてロシアの存在感が強まっていることが懸念されている。

中東での米国の影響力が衰える一方で、その穴を埋めるかのように上昇するロシアの勢力が、同地域での権力の移行を示している。

さらに注意するべきは、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、繰り返し米国に対して核攻撃の恫喝発言をし、緊迫感が高まっている点だ。

トランプ大統領はこの挑発に対し強気な姿勢を見せており、緊張状態はしばらく続くように見られる。

トランプ大統領を失望させたもう一つの地域は中国である。中国の習近平国家主席は、北朝鮮の核開発問題への協力要請をはじめとする、ホワイトハウスの様々な期待を裏切った。

引き続き2018年も、トランプ大統領は、ロシア、中国、北朝鮮を中心に多くの政治的問題に直面することとなる。緊張が高まり続けるようであれば、安全資産通貨.となる日本円等が中期的には、市場をけん引する可能性が考えられる。

米連邦準備理事会の政策とタカ派な姿勢

米連邦準備理事会の政策とタカ派な姿勢

トランプのネガティブな姿勢とは異なり、米連邦準備理事会は2017年3度利上げを実施、政策金利を1.5%まで引き上げた。

そして、2018年もさらなる政策金利の引き上げが想定されている。

失業率の大幅低下: 米連邦政府の政策を正常化する最も重要なファンダメンタルズ要素は、失業率4%への低下である。また、雇用に関しても着実に増加が見られた。

従って、これらの要因からも更なる利上げ. の可能性が高い。多くの専門家は、堅調な経済成長と米連邦準備理事会が目指すインフレ率の改善と相まって、米連邦準備理事会は、2018年に少なくとも4回の利上げを実施し、政策金利を2.5%へ引き上げることを予想している。

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要約すると、2018年、米国経済が堅調に成長を続け、さらなる金利の引き上げが決定すれば、それに応じて為替市場が動くだろう。

米ドル安が経済に良い影響を及ぼすことは確かであり、特に、製造業と輸出に関しては顕著である。

しかし、ネガティブな話題が増えれば、米ドル安の維持は難しい。トランプ大統領は、経済にとって米ドル安が好ましいと述べているが、経済が回復し続け、速いペースで成長すれば、米ドルは他の通貨に対して上昇となるだろう。

テクニカル面では、ドル指数は、2017年に8%以上も低下している。市場心理は好調であったが、売られ過ぎの状態と、リスク上昇により、ユーロ/米ドル等の通貨ペアの上昇の勢いが加速した。

ユーロ/米ドル相場の回復と、ユーロ圏の政治的課題

ユーロ/米ドル相場の回復と、ユーロ圏の政治的課題

長期的な見通しを踏まえ、ユーロ/米ドルの月足チャートを見ていこう。2017年1月に、1.0400近辺で底値を形成していることは明らかだ。

同ペアは、反発し、上値1.3993 下値1.0340の値動きで形成されたフィボナッチリトレースメント23.6%ラインを上抜けしている。

順調に回復しているように見受けられるものの、ユーロ買いは、1.2200と1.2500近辺で苦戦. しているようだ。1.2200近辺は、過去にサポートとして機能していたが、現在は、上値1.3993 下値1.0340の値動きで形成されたフィボナッチリトレースメント50%ラインが重なり、レジスタンスとしての機能を担っている。

1.2200上の2つのキーポイントとなる、単純移動平均線(100日と200日)は、1.2500近辺で、買い手を妨げる重要な役割となるだろう。

これらのことから、ユーロ/米ドルが大きく値を戻した場合、1.2200と1.2500の2つの主要ハードルに直面することになりそうだ。

一方、1.1500近辺にしっかりとしたサポートエリアが形成されており、変曲点としての重要な役割を担っている。

ファンダメンタルズ面では、欧州中央銀行は、ユーロに対し上昇リスク懸念している。過去12ヶ月間でユーロは12%以上も上昇している。

したがって、この先も上昇相場が続けば、ユーロ高を懸念する欧州中央銀行は、ネガティブな発言によってユーロ/米ドルの高騰阻止を図るだろう。

欧州中央銀行は、今後5〜6ヶ月間において、金利の引き上げ予定はなく、量的緩和の規模縮小には消極的な姿勢が伺える。

したがって、ユーロ/米ドルが大幅に上昇する場合、テクニカル面、ファンダメンタルズ面において多くの難局に直面することになるであろう。

概して、2017年はユーロ圏でいまだかつてない大きな政治的動きがあったものの、ユーロ相場においては好調な年であったと言える。

2018年の見通しについては、今後、イタリアの総選挙等の多くの重要なイベントが控えており、ユーロ相場にマイナスの影響を与える可能性が予想される。

英国EU離脱と経済及び政治の見通し
2017年は、英国がユーロ圏離脱の手続きを開始したことが、最も予期せぬ出来事の一つであった。

この動きは、経済的にも政治的にも大きな影響を与え、ポンドは他のほとんどの主要通貨に対し下落した。

しかしながら、ポンド/米ドルは2017年中頃に、1.2000近辺で底値形成後、回復相場に入った。

もう一つの重要なイベントとしては、2017年6月に、テリーザ・メイ英首相が下院を解散し総選挙を行ったものの、与党・保守党が議席を大幅に減らす 結果となったことが挙げられる。

主要経済指標については、英国のGDPの現状ペース維持に期待が集まる。一方で、インフレが加速する可能性もあり、貿易収支は中期的に見て、引き続き軟調となることが予想される。

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ポンドは、現在安値圏で取引されており、米国と取引のある輸出企業には有利となっている。

しかしながら、依然ユーロも弱含みであることから、ユーロ圏との取引における利益はあまり望めないかもしれない。

好材料としては、英中央銀行が、数年ぶりに政策金利を0.25%から0.50%へ引き上げたことが挙げられる。

欧州中央銀行が、2018年中に金利を0.75%へさらに引き上げる可能性は非常に高い。これにより、市場心理はポンド買いに傾くだろう。

ポンド/米ドル、回復難航

テクニカル分析では、ポンド/米ドルは、安値1.2000更新後、順調な回復の兆しをみせている。

同ペアは、下値1.7191上値1.1969の値動きで形成されたフィボナッチリトレースメント23.6%ライン上まで回復した。

ポンド/米ドル、回復難航

月足チャートからは、ポンド/米ドルが、1.3700や1.3950、1.4200といった複数の主要レジスタンスにじわりじわりと接近していることがわかる。

また、同チャートには、1.4150をレジスタンスとする弱気トレンドラインが形成されている。

そのため、2018年の上昇局面においては、1.4000近辺で強烈な売り圧力に直面する展開が予想され、中期的には、売り優勢なエリアとして意識される可能性が高い。

2018年の日本経済、日銀の影響と日本円
2017年、円はユーロとポンドに対して大幅に下落したが、ドルに対しては、やや上昇となり安定的な推移となった。

ファンダメンタルズ面では、日銀の政策金利は、-0.1%から大きな変化は見られなかった。日本経済の回復を示唆する兆候が複数現れている。

2018年には、インフレ率の上昇の可能性が高いが、2017年の0.4%達成に、苦戦したことを考慮すると、伸び率は限定的となる見込み。

その上、日銀の目標である2%からはほど遠く、2019年末まででさえ、達成は難しいと思われる。

従って、中期的には、円相場は引き続き上値の重い展開が続きそうだ。

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日本のGDPの5%以上を占める景気刺激対策は緩やかに低下する見込みで、2018年の成長率に僅かではあるがマイナスの影響を与え、円売りの圧力が強める可能性がある。

日銀の10年物国債利回りを、限りなくゼロに近くキープする取り組みは、低インフレ率と安定したGDPも伴い、2018年の更なる円安傾向を暗示している。

加えて、米連邦準備理事会と日銀の方針には、大きな違いが見られる。米連邦準備理事会は、引き続き金利の引き上げを実施する方針である一方、日銀は、現状維持をキープする見込みである。

市場は安全資産へ:安全資産として認知されている円に対して唯一好材料となるのでは、市場のリスク回避姿勢である。

主な要因としては、米国や、北朝鮮、中国、ロシア等の国際情勢への緊張の高まりである。その他には、ユーロ圏と英国の政治的不透明感の高まりが挙げられる。

米ドル/円 2018年の見通し

米ドル/円 2018年の見通し

米ドル/円の2017年における動向と2018年の見通しをテクニカル面から分析してみよう。

米ドル/円 月足チャートからは、上抜けのリスクがあることがわかる。

また、114.00-114.50を現レジスタンスとする極めて重要な下降トレンドラインが形成されている。

月足の終値で114.50に乗せることができれば、米ドルの上昇に拍車がかかることが予想される。

そうなった場合、米ドル/円は、120.00に向けて上昇幅を広げる展開となる可能性が非常に高いといえるだろう。

120.00台に乗せることができた場合、次の重要なレジスタンスは124.00-125.00になりそうだ。

一方、下落局面では、110.00にサポートエリアが形成されている。円が強含みとなり、米ドル/円が値を下げて調整相場に入った場合、110.00近辺が極めて買い優勢となり、買い手にとってチャンスの多い場面となるだろう。

概して、下落局面では110.00、108.00といった複数のサポートエリアが控えていることから、現在の値動きから大幅な調整相場に入ったとしても、米ドル/円は2018年も引き続き前述のサポートエリアで底堅く下支えされる展開となるであろう。

原油価格は上昇モメンタム

金、原油は、ともに最安値更新後、緩やかで安定した上昇基調となった。金価格は、終値で1300ドル、原油価格は60.00ドルを超えて2017年を終えた。
需要周期の改善により、原油価格には複数の好調な兆しがみられる。

さらに、中東地域における緊張の高まりは、原油在庫量の減少と相まって、原油価格を押し上げる見通し。

原油価格は上昇モメンタム

目先相場で、原油価格の回復基調が続けば、2018年は70.00ドル、さらには75.00ドル近辺に向けて上昇が続くことが予想される。

また、下落局面では、50.00ドルと44.00ドルにサポートエリアが形成されている。

金相場上向きトレンド

金相場上向きトレンド

金価格も同様に、大幅な回復の動きを見せ、現在100週単純移動平均線と200週単純移動平均線より上で推移している。

1250ドルにサポートエリアが形成され、下値は底堅いように見受けられる。上昇場面においては、1500ドル近辺まで目指すには、1350ドル、そして1375ドルの上抜けが必須となる。

2018年は、1250ドルより上での推移をキープする限り、安定した相場となる見通しだ。

ファンダメンタルズ面では、金価格動向の主因の1つである中国経済において、景気減速の兆候が複数みられている。

中国政府が、経済成長を後回しとして大胆な改革を決行すれば、コモディティに対する全体の市場心理が、ベアとなるリスクが浮上する。

仮想通貨市場の成長

仮想通貨市場は、2017年の話題を独占した。市場シェアは500億ドルから7500億ドル超へと拡大し、ビットコインは1万ドル超えで取引され、さらには2万ドルに接近するなど、強い上昇基調が見られた。

イーサリアムや、リップル、ライトコイン等の他の主要仮想通貨も、価格と市場シェアの両面で堅調に推移した。

このような上昇は、世界中の多くの投資家を魅了し、仮想通貨市場の取引量やボラティリティの急騰を引き起こした。

同時に、政府機関や中央銀行、規制当局からの、多くの規制上の問題や、警告、脅威についても注目が集まった。

しかし、大きな影響はみられず、仮想通貨市場は現在も上昇トレンドを維持しており、中期的には、為替市場へも影響を与える可能性が考えられる。

仮想通貨市場の成長

2018年の見通し

最後に、2018年は安全資産通貨、米ドルまた仮想通貨相場の動向が注目される。

また、ユーロ/米ドルとポンド/米ドルの上昇に関しては、複数のバリアの存在を考慮すると、限定的な値動きとなるだろう。

米ドル/円については、引き続き下落が続く可能性と、上昇シナリオも考えられる。コモディティは市場をけん引する可能性もあるが、トレーダーは上昇トレンドの動きに十分注意が必要だろう。

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