FX 今週の振返りと来週の注目点5月7日〜11日

FX 今週の振返りと来週の注目点5月7日〜11日

先週末4日に発表された米4月雇用統計は失業率こそ17年ぶりの3.9%に改善が進んだ一方、就業者数や時間給賃金は予想を下回りました。

特に時間給賃金は下方修正された前月の2.64%から2.56%へ鈍化(一般的表記は2.6%⇒2.6%)しました。

こうした数値を裏付けるように10日発表の米4月消費者物価指数の詳細では、民間部門の平均時給が前月比横ばい、前年同月比+0.2%の上昇に留まるなど9日発表の予想を下回った4月卸売物価指数と同様、FRBが積極的な利上げを迫られるほどのインフレ加速に対する警戒感が後退しました。

今週は大手薬品メーカーによるアイルランドの製薬大手への外資系企業買収としては史上最大規模となる買収案件が正式に決定したほか、9日には米10年債利回りが4月27日以来となる3.012%へ上昇したことで日米金利差拡大が意識されドル円は、5月2日の110円04銭以来、およそ一週間ぶりに110円02銭まで上昇しました。

しかし、前述の消費者物価指数などFRBの注目するインフレ指標が伸び悩んでいることなどからポジション調整を伴うドル売りを背景に109円30銭、さらに週末の仲値を過ぎてからの本邦実需筋のまとまったドル売り観測を背景に109円19銭まで反落しました。

一方、政治的な動きとしてはトランプ大統領がイラン核合意破棄と同時にイランへの制裁再開を決断、原油価格が3年5ヶ月ぶりの71ドル台まで上昇するなどインフレ上昇を警戒せざるを得ない状況となっています。

イランの出方次第では中東情勢を巡る不安定さが増すとの不透明感の一方、北朝鮮の金正恩労働党委員長が3月末に続き二度目となる中国・習近平国家主席と会談するなど6月12日にシンガポールで実施されることが決まった米朝首脳会談を前に各国首脳の動きが活発になりました。

トランプ大統領のイラン核合意破棄の決定は朝鮮半島の非核化に向けた牽制とも受け止められ、朝鮮半島情勢を巡る地政学的リスクは確実に低下しており、円買い進行の抑制につながっていると言えます。

そのためドル円は、109円台前半から後半での底堅い値動きのまま週末を迎えることになりそうです。

来週も引き続き企業買収に絡む円売り観測や米10年債利回りの3.0%台回復の可能性と共にドル円は、109円台前半を下値に再度110円台回復に至るのか注目されます。

4日の雇用統計や10日の消費者物価指数から足許のインフレ加速懸念が後退する中、特に米経済の堅調地合いを確認する観点からGDPの約7割を占める個人消費の行方を占う4月の小売売上高(15日発表)のほか、4月住宅着工件数や鉱工業生産(16日発表)、さらには5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(17日発表)を受けて米長期金利の反応が注目されます。

さらに、欧米の金融政策の方向性の違い(米FRBは緩やかな利上げ継続に対しECBは債券買入れ終了に慎重姿勢が伺えるなど不透明感)を背景に9日に昨年12月22日以来1.1823ドルへ下落後、10日には1.1947ドルへ反発したユーロが下げ止まりを確認するのか、独1-3月期GDP速報値やユーロ圏GDP改訂値、さらに独5月ZEW景況指数(いずれも15日発表)に対する反応が注目されます。

ドルの対主要通貨での動向を示すドルインデックスは9日に200日移動平均線を上回る水準まで上昇後、反落に転じており一時的な調整に留まり再度ドル上昇となるのか、ドル高の調整(ドル安への転換)となるのか注目です。

また、今週71ドル台まで上昇した原油価格次第では米国のインフレ上昇への警戒につながるだけにその動向にも注目する必要がありそうです。

 

 

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