FX 歴史的な米朝首脳会談と今晩の米消費者物価指数

米朝首脳会談を前にドル円は午前9時過ぎに110円49銭まで上昇しました。

日経平均株価も同様のタイミングで207円高の23,011円まで上昇するなどリスク選好の動きが強まったものの午前10時の首脳会談を前に利益確定売りが優勢となりドル円、日経平均ともに小幅に反落しました。

午前10時5分過ぎに両首脳が対面、笑顔で握手を交わすなど和やかなムードが伝えられるとドル円は110円26銭から110円33銭まで上昇したもののその後は110円30銭を中心にした小動きとなりました。

トランプ大統領が「お会いできて嬉しい、会談は素晴らしいものになるだろう」と伝えたのに対し金委員長は「様々な障害を乗り越え、ここまで簡単な道のりではなかった」と対応。

その後、前日比ほぼ変わらずの水準まで反落した日経平均株価が160円超の上昇に転じたこと、ダウ先物も小幅に上昇するなど堅調な値動きとなったことからドル円は再度110円41銭まで反発しました。

午前11時前にトランプ大統領と金委員長との1対1の会談を終えた両首脳は午前11時前から米国側からポンぺイオ国務長官やボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官、ケリー大統領首席補佐官、北朝鮮側からキム・ヨンチョル副委員長、リ・スヨン朝鮮労働党副委員長、リ・ヨンホ外相が出席して閣僚級会合が始まったものの、会談内容が伝えられないこともあり、利益確定売りに押されドル円は日経平均株価のマイナス圏への下落と同時に110円13銭まで反落するなど午後17時00分からのトランプ大統領の記者会見を見極めるまでは明確な方向感は出難いのかもしれません。

こうした中、今晩は米5月消費者物価指数が発表されます。日本時間、14日早朝3時に発表されるFOMCでの利上げの有無、さらに午前3時30分からのパウエルFRB議長の会見で各委員の政策金利見通し（ドッドチャート）を含め、従来の年3回の利上げペースが年4回の利上げの可能性を示唆するのか注目されます。

今晩の米消費者物価指数では、食料品やエネルギーを除くコア指数が前年同月比+2.2%の上昇が見込まれており、FRBの掲げる物価目標（+2.0%）を3ヵ月連続で上回ることになります。

今晩の結果を受けて米10年債利回りが3.0%にどこまで近づくのか、結果が注目されます。仮に3.0%台を回復することになれば、米朝首脳会談の結果と合わせ、ドル円は5月22日以来の111円台回復となるかもしれないだけに注目されます。