XMーカナダ政策金利発表に注目、豪ドルは下落

• カナダ政策会合；市場では悲観的観測が強まるものの、政策変換の可能性は低い見通
• 米ISM 非製造業景況指数の強い結果で、米ドル一段高
• 豪利下げ観測上昇で、豪ドルは2か月ぶり安値

利上げ観測が消失する中、カナダ中央銀行の政策金利発表

本日のメインイベントは、カナダ中央銀行の政策金利発表になるでしょう。今回の政策会合では据え置きが予想されており、ポロズ総裁による記者会見も予定されていません。

したがって、市場は金利政策の見通しを見極める為に、声明文を注視するでしょう。最近、カナダ利上げ予想に大きな変化がありました。

数週間前には、年内利上げの可能性は約50%でしたが、現在はほぼ0%となっています。

利上げ予想が大きく変化した要因は、カナダ第4四半期GDPの脆弱な結果でした。カナダ第4四半期GDPの結果を受けて、カナダ中央銀行がFRBと同様に、指標に改善が見られるまで利上げを見送る「辛抱強い」姿勢に転換するとの観測が高まりました。

今後の政策変更の可能性はありますが、本日には変更の決定にはならない模様です。特に、第4四半期は世界経済の成長が鈍化傾向にあり、2019年の今までの経済指標結果が堅調だったことを考慮すると、たった一つの経済指標結果で、政策金利の方針か完全に変更する可能性は低いでしょう。

本日、カナダ中央銀行が楽観的姿勢、及び利上げの余地を示した場合、市場にとってタカ派的サプライズとなり、カナダドルが回復するでしょう。

米ISM非製造業景況指数 の強い結果で米ドル高に追い風

本日、米ドルインデックスは5セッション連続での上昇となりました。

米ドルインデックスの背景には、米経済指標の強い結果があります。米2月ISM非製造業景況指数は、市場予想の57.3を大幅に上回る59.7の結果となり、米経済への懸念を緩和させました。ISM非製造業景況指数の強い結果が経済成長回復の兆しを示し、まだ市場では明確にはなっていないものの、今後に年内利上げの可能性が再度浮上する可能性があります。

利上げ観測の復活の僅かな兆しがリスク資産の需要を低下させたかのように、昨日に米株式市場は下落して引けました。本日に発表される米2月ADP全国雇用者数は非農業部門雇用者数の先行指標と見なされる為、市場の注目を集めるでしょう。FOMCで投票権を持つニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言も注視されるでしょう。

豪GDPの脆弱な結果が利下げ観測を上昇させ、豪ドル下落

豪第4四半期GDPが市場予想を下回ったことを受けて、本日前半の豪ドルは、主要通貨で最も軟調推移した通貨となりました。豪第4四半期GDPは、市場予想の前年比2.5%増に対して、前年比2.3%増でした。

この結果を受けて、年内利下げ観測が上昇し、豪ドル/ドルは2か月ぶり安値まで急落しました。現在、年内の0.25%の利下げは完全に市場で織り込み済みとなっています。豪オーバーナイトインデックススワップによると、2回目の利下げの可能性も12%まで上昇しています。

最近の豪経済指標の脆弱な結果を考慮していも、利下げ観測は非常にハト派的となっているようです。米中貿易問題の合意が豪経済が直面する主要な下振れリスクを取り除くでしょう。

豪経済見通しが悪化した場合、利下げが実施される可能性がありますが、年内2回の利下げはやや悲観的過ぎるでしょう。悲観的観測が強まる中、GMT0030に発表される豪1月小売売上高が注視されるでしょう。