XMーメイ首相とコービン党首の会談でポンド高、株価上昇

• 貿易問題解決への期待でリスクオン上昇；本日より閣僚級協議再開
• 膠着状態打開に向けたメイ首相とコービン党首の会談で、ポンド上昇
• 米ADP全国雇用者、及び米ISM非製造業景況指数発表控え、米ドル下落

EU離脱問題と貿易問題解決への期待で、リスクオンムード上昇

昨日には大きなイベントもなく、S&P500等の米主要株価指数の終値は、始値とほぼ同様の水準となりました。その後、米中貿易問題、及びEU離脱問題にポジティブな兆しが見られたことにより、市場のリスクオンムードが強まりました。

米国と中国が合意文書案を巡り詰めの調整を行っているものの、合意締結においては、依然として意見の隔たりがあることが報じられました。

ライトハイザー米通商代表部代表は、中国が合意内容に反していると米国が判断した場合、米国は一方的に関税を再施行する権利を維持したい意向を以前から明確にしていました。

中国側は、米国のこの要求に反発していることから、米国と中国の意見の隔たりは新展開ではありません。しかしながら、市場は合意間近の兆しと解釈し、本日のアジア株式市場は全面高となり、米主要株価先物指数は大幅に上昇してのオープンを示しています。

本日から、ワシントンで閣僚級協議が再開し、米国と中国の協議担当者が合意間近の楽観的見解を示した場合、リスク資産は一段と上昇するでしょう。

メイ首相とコービン党首の協調の可能性で、ポンド上昇

EU離脱交渉の膠着状態打開の為に、メイ首相は、労働党のコービン党首と会談する予定を公表しました。野党との協調は、英政治情勢ではあまり見られない為、メイ首相が遂に妥協し、関税同盟の残留等のよりソフトなブレグジットを受け入れる期待が高まりました。

この場合、アイルランド国境問題が解決し、合意なき離脱も回避されます。しかしながら、英国が他国と独自の通商条約を締結することは不可能となり、与党内のハードブレグジット派を激怒させることになります。

ポンドは、メイ首相の動きを好感し、メイ首相の発言後すぐに急騰しました。

翌週のEUサミットで長期延長の申請の可能性も上昇し、合意なき離脱の可能性も後退したことにより、ポンドは本日も堅調推移しています。本日には、英3月サービス業PMIも発表されますが。

メイ首相とコービン党首との会談がポンド相場により影響するでしょう。

ユーロ回復の兆しで、米ドル下落

本日前半のユーロ/ドルは上昇し、6日連続の下落から転換する模様です。最近、第1四半期のユーロ圏経済鈍化が一段と浮き彫りになった上に、英国のEU離脱交渉の先行き不透明感も加わり、ユーロ安が継続していました。

一方の米ドルは、FRBのハト派路線への移行にも関わらず、米経済は他国経済よりも堅調と市場で判断された為、高値を継続していました。

ユーロ/ドルの上昇継続は、3月の安値1.1175ドルを割り込まないことが重要になるでしょう。

1.1175ドルを割り込んだ場合、再度下落基調となるでしょう。一方、ユーロ/ドルが回復した場合、レンジ相場となるでしょう。今後のユーロ/ドルの方向性を決定づけるイベントは、多数控えています。

その他のニュースは、ビットコインが特に要因となるニュースがなかったにも関わらず、5000ドル付近まで急騰しました。

本日には、米ADP全国雇用者、及び米3月ISM非製造業景況指数が発表されます。金曜日には、米雇用統計の発表、翌週にはECB政策会合が控えています。