XMーメイ首相の早期辞任の可能性で、ポンド安

• メイ首相の早期辞任の可能性で、ポンド安継続
• 独PMIの脆弱な結果で、ユーロ安継続の兆し
• 「新冷戦」への懸念で、リスク回避の動き加速
• FOMC議事録の中立的見解で、米ドル高継続

メイ首相のEU離脱方針で、ポンド安継続

ポンドは、政治的不透明感により、引き続き下落基調となりました。

昨日、レッドサム下院院内総務が、メイ首相の離脱方針に抗議して辞任しました。

メイ首相が、二回目の国民投票実施の可能性を織り込んだより柔軟なEU離脱方針を明らかにしたため、保守党内のEU離脱派議員が反発を強めました。

メイ首相の離脱方針が実現されるかどうかは、本日の欧州議会選挙結果次第となるでしょう。

世論調査に示されている様に、ブレグジット党に票が流れ、保守党が惨敗した場合、メイ首相の辞任、及び強硬派の新党首選出に繋がるでしょう。その場合には、当然ながら、合意なき離脱の可能性も上昇し、ポンド安の要因となるでしょう。

独PMIは脆弱な結果、ユーロ回復の兆しなし

ユーロ圏経済成長の見通しは悪化したままの為、ユーロ圏経済成長の回復は、まだずっと先になるでしょう。

本日に発表された独5月PMI・速報値は、脆弱な結果となりました。

製造業PMIは縮小範囲内で一段と低下し、サービス業PMIは市場予想を下回りました。

ユーロ圏最大である独経済の鈍化が浮き彫りとなり、ECBによる金融政策の正常化への期待が後退する可能性があります。

ユーロに関しては、ユーロ圏経済成長に回復の兆しが見られない限り、ユーロが上昇しても、長くは継続しないでしょう。

「新冷戦」への危惧で、リスク回避の動き加速

本日、世界の株式市場は、全面安となっています。アジア株式市場の終値は下落し、ユーロ圏、及び米主要株価先物指数は下落してのオープンを示しています。株安の背景には、根強く残っている貿易摩擦への懸念があります。

最近の中国政府は、一段と強硬な姿勢を示しています。中国の外務大臣は、米国が中国の発展を阻止しようとしていると発言しました。

市場では、貿易摩擦が新たな冷戦に発展する可能性が危惧されています。特に「ツイッター外交術」では、両国が威信を維持したまま、譲歩することは困難なようです。

FOMC議事録の中立的見解で、米ドルは一段高

昨日に発表されたFOMC議事録では、当面の間の現行政策維持が明らかになりました。殆どのメンバーが、最近のインフレ低下は一過性に過ぎず、経済成長の見通しは明るいとの見解を示しました。

より重要なことは、市場では年内利下げの可能性が100%織り込み済みとなっているものの、政策会合では利下げの可能性が協議されなかったことです。

FOMC議事録後の米ドルは、若干上昇しました。

直近の米ドルは、ポンド安が追い風となって、本日前半の上昇幅を拡大させています。市場の大局的な流れとしては、他の主要経済の状況が改善するまでの間は、米ドル高が継続するでしょう。

したがって、米ドル安となる最大のリスクは、ユーロ圏経済成長の実質的な回復ですが、本日のユーロ圏PMIの結果でも示されたように、その兆しはまだ見られません。