XMーリスクオフの流れ加速、NZ中銀利下げ

• 市場が貿易問題のリスクに注目し、株価下落、安全資産が上昇
• NZ中銀が利下げ、しかしながら、NZドル回復
• 保守党と労働党の協議で進展がない中、ポンド下落

貿易問題への懸念継続で、リスクオフの流れ加速

昨日の市場は、米中貿易摩擦への懸念により、リスクオフの流れになりました。

今週後半のリスクイベントを控え、市場の資金がリスク資産から安全資産に移行した為、株式市場は下落幅を拡大させ、一方の円等の安全資産は上昇しました。

注目されることは、今回のリスク回避の動きには、新しい要因がないことです。代わりに、トランプ大統領による関税引き上げ発言への反応が遅れて出てきたようで、市場は現在の所、関税について、さほど深刻には受け止めていないようです。

市場の関心は、明日からワシントンで開催される米中通商協議に向けられています。

中国政府が直ぐに譲歩しない場合は、米政府は追加関税を発動させる姿勢を示しています。通常、中国政府は圧力に反発する為、貿易摩擦が一段と悪化する可能性があります。

したがって、当面の間は、リスクオフの流れが継続し、株価は下落基調となり、安全資産への需要は増加するでしょう。

NZ中銀利下げ、しかしながらNZドルは素早く回復

本日、ニュージーランド準備銀行が政策金利の引き下げを公表しました。利下げの背景には、国内景気低迷、及び貿易問題のリスクを受けて、インフレ上昇と経済成長を促す狙いがあります。

ニュージーランド準備銀行は、政策金利の見通しを下方修正することによって、今後数年間に再度利下げがある可能性を示唆しました。

市場での利下げ予想は最大40%までとなっていた為、利下げ決定を受けて、NZドルは急落しました。しかしながら、その数時間後には、対米ドルの全ての下げ幅を回復させました。

市場では、今回の利下げは「一度のみの」利下げであり、長引く緩和政策の始まりではないと解釈しているようです。年内利下げ観測後退も、今回の利下げへの市場の解釈を裏付けています。

NZドルの今後の動きは、貿易問題の先行き不透明感により、当面の間は下落基調となるでしょう。

EU離脱問題の先行き不透明感継続で、ポンド下落

保守党と労働党の協議が合意には程遠いとの報道により、本日前半のポンドは、下落基調となっています。

EU離脱交渉の膠着状態だけでなく、保守党内からのメイ首相辞任の継続的な要求により、ポンドが再度下落基調となりました。欧州議会選挙に関する世論調査では、ナイジェル・ファラージ氏が率いるブレクジット党が優勢となっており、英国の離脱後の欧州への期待を高めています。

今後の動きは、保守党と労働党の協議で中身のある結果が得られるか次第となるでしょう。中身のある結果が得られた場合、ポンドは上昇するでしょう。

しかしながら、合意の可能性が低いことを考慮すると、ポンド上昇の可能性は低くなっており、先行き不透明感が継続する模様です。したがって、直近ではポンドの一段安の可能性も残っています。