XMー中国のニュースで豪ドル下落、ユーロに注目

• FOMC議事録で利下げの余地が示され、米ドル上昇
• ユーロ圏PMIとECB議事録に注目
• 中国が豪石炭の輸入を禁止し、豪ドル下落
• ワシントンで閣僚級の米中通商協議再開

FOMC議事録で利上げの余地が示され、米ドル上昇

特に世界経済の先行き不透明感を考慮し、FOMC議事録ではFRBが現行の政策を維持する方針が再度示されました。バランスシート縮小の年内終了は、全会一致で賛成されました。

複数のFOMCメンバーは、米経済の底堅い推移により、楽観的観測を維持し、インフレが上昇した場合、年内後半に再度利上げの可能性を支持する姿勢を見せました。

利上げの余地が示され、全体的なトーンが市場予想ほどハト派的にではなかった為、米ドルと米国債利回りが上昇しました。

今後の米ドル相場に関してですが、当面の間は利上げの可能性がないため、大幅な上昇の可能性は低いでしょう。同様に、ユーロやポンド等の他の主要通貨の需要が増加しない限り、米ドルの一段安の可能性も低いでしょう。

米ドルの直近のリスクとして考えられるのは、貿易問題解決による安全資産の米ドル売り、或いはユーロ圏経済の大幅な回復によるユーロ上昇の可能性になるでしょう。

ユーロ圏PMIとECB議事録は、ユーロ相場に影響

本日の欧州セッションは、ユーロにとって極めて重要なセッションになるでしょう。GMT0900には、ユーロ圏2月PMIが発表されます。

ユーロ圏2月PMIは安定した結果となる模様で、ユーロ回復に繋がる可能性があります。ユーロが大きく回復するためには、PMIの結果が予想を大幅に上回る必要があります。

しかしながら、政治的、及び貿易のリスクが先行き悪化に繋がっている現状を考慮すると、予想を大幅に上回る結果にはならないでしょう。

GMT1230には、ECB議事録が発表されます。ドラギ総裁が政策会合で示唆した政策以外の目新しい材料は、示されないでしょう。ユーロ圏経済減速は懸念材料であるものの、ECBの金融正常化を変更させるほどではないでしょう。

市場の関心は、貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)の新たな実施検討に向けられるでしょう。

中国が豪石炭輸入を禁止し、豪ドル下落

中国の大連港がオーストラリアからの石炭輸入を禁止したとの報道により、豪ドルは豪雇用統計の強い結果による上昇から、下落に転じました。中国の他の主要港では、石炭の通関手続きの時間がこれまで以上にかかる模様です。

石炭はオーストラリアの主要輸出品であり、中国は石炭の最大の輸入国です。そのため、今回のニュースは、オーストラリアの輸出見通しを悪化させることになりました。

豪ドル安の影響に加え、中国経済の影響も強く受けるNZドルも大幅に値下がりしました。

静かな市場は米中通商協議に注視

米株式市場の終値は上昇したものの、上昇幅は緩やかでした。ワシントンでの米中通商協議に、閣僚も参加予定の為、今後の数セッションは市場の流れによって重要になるでしょう。

株高の継続は、合意への期待、或いは少なくとも3月1日の対中関税引き上げ期限延長の期待上昇を示しています。米通商代表部のライトハイザー代表等の発言は、注視されるでしょう。