XMー中国GDP待ちで主要通貨安定、利下げ観測で豪ドル安

• 米経済回復の見通しを見極める為に、市場は経済指標結果待ち；米ドル安定
• 今週のハイライトの中国GDP発表は、リスクオン継続に影響
• 豪利下げ観測で、豪ドルは最も軟調推移した通貨

FX主要経済指標発表控え、米ドル回復

本日から市場に影響する経済指標の発表が開始する為、市場は慎重姿勢に傾き、先週金曜日からのリスクオンムードが若干後退しました。

本日に注目される経済指標は、英雇用統計、及び米3月鉱工業生産になります。ユーロ圏経済回復を見極める為に、独4月ZEW景況感指数も注目されるでしょう。

ユーロ圏経済への悲観的観測が若干後退した為、ユーロ/ドルは1.13ドル付近まで回復しました。今週発表される経済指標結果がユーロ圏経済の回復を示した場合、ユーロ/ドルが一段と上昇する可能性があります。

一方のポンドは、EU離脱問題による長引く先行き不透明感が、当初の想定よりも英経済に悪影響を与えた可能性がある為、上昇幅拡大の可能性は低いでしょう。

EU離脱の関するニュースがない場合でも、経済指標の結果が利上げの可能性を後退させた場合、ポンド下落に繋がる可能性があります。

米ドルに関しては、リスクオンムードが安全資産の需要を低下させ続けた場合、経済指標の好調な結果が米ドル相場を下支えするでしょう。本日の米ドルは、円を除く対主要通貨では2週ぶり安値から回復し、ドル/円は112円を若干下回る水準で取引されていました。

市場の注目は、日米通商協議ではなく、中国GDP発表

明日には、中国第1四半期GDP、中国3月鉱工業生産、及び中国3月小売売上高が発表されます。

市場は経済指標結果での回復の兆しを見極める為に、注目するでしょう。経済指標結果は、短期的な市場の流れに影響するでしょう。

先週金曜日には、中国経済指標の好調な結果がリスクオンの流れを強めました。しかしながら、米中通商協議が合意間近となっているものの、市場は日本とEUが米国との貿易摩擦悪化に直面するリスクを織り込みつつあります。

昨日、日経済財政担当相は、ライトハイザー米通商代表部代表との協議内容が「率直で重要課題が明らかとなった」と述べました。

米国が日本とEUに対して関税を課すかを憶測するには時期尚早でしょう。しかしながら、少なくとも現在の所は、市場は関税の可能性に大きな懸念を示していません。

米決算の強弱混合の結果で、S&P500は最高値越え達成せず

今週、市場の殆どの関心は米企業決算発表に向けられるでしょう。

先週金曜日の好調な決算結果後、昨日に発表された決算は脆弱な結果となりました。ゴールドマンサックスの決算結果は予想を下回り、ゴールドマンサックスの株価は約4%下落しました。

その結果、S&P500は最高値越えを達成できず、2905.58ドルで引けました。しかしながら、本日のアジア株式市場は上昇し、欧州株式市場も上昇してのスタートとなる模様です。

豪中銀議事録発表後、豪ドル下落

市場のリスクオンの流れにも関わらず、豪ドルは下落しました。本日に発表されたオーストラリア準備銀行の議事録では、文言や見解に大きな変更があったことが明らかになりました。

オーストラリア準備銀行は、「物価上昇圧力が脆弱なまま、失業率が上昇した場合」には、利下げの余地があることを示唆しました。

直近の豪ドル/ドルは0.7146ドルで取引されていました。NZドルも、ニュージーランド準備銀行のオア総裁のハト派寄り発言を受けて、対米ドルで0.6754ドルまで下落しました。

本日後半には、世界乳製品取引価格指数の発表、及び明日には第1四半期消費者物価指数の発表を控えている為、NZドル相場は注視されるでしょう。

昨日、ロシアによる原油生産増加の可能性が報道され、急落した原油価格は本日には若干回復しました。WTI原油先物指数は、若干回復した63.42ドルで取引されていました。