XMー修正離脱案否決でポンドが荒い値動き、今週の英議会採決にも注目

• 合意泣き離脱が否決される見通しで、ポンドは回復
• 修正離脱案否決によるリスクオフで株価下落；世界経済とボーイング社低迷への懸念で見通し悪化
• 豪経済指標結果で豪ドル下落

合意なき離脱、及び離脱時期延期の議会採決控え、ポンドは引き続き荒い値動きとなる模様

昨日に1.3288ドルの高値まで急騰したポンド/ドルは、修正した離脱協定案が英議会で否決されたことにより、1.3003ドルの安値まで急落しました。

二回目となる離脱協定案の議会採決は、391票対242票で否決されました。一回目の議会採決結果よりも改善したものの、依然として歴史的大差での敗退となりました。

昨日の議会採決前に、英法務長官が、メイ首相がEU側より獲得したバックストップに関する保証は法的拘束力を持つものの、英国がバックストップを解消する合法的手段を持つことにならない為、依然としてリスクが残ると発言しました。

この発言を受けて、保守派議員が修正した離脱協定案を支持しなかった模様です。

昨日の議会採決結果により、英国の政治的危機は一段と深まりました。本日には、合意なき離脱を選択肢として除外すべきかが議会で採決されます。

合意なき離脱は否決される見通しで、この場合、ポンド/ドルは1.31ドル台を回復するでしょう。議会採決は、GMT1900頃に予定されています。本日、合意なき離脱が否決された場合、明日の木曜日には、英議会で離脱の延期が採決される予定です。

米消費者物価指数の低調な結果で、米ドル安

EU離脱問題で政治的リスクが高まる中、米ドル安の流れにより、ユーロとポンドは急落にはなりませんでした。ユーロ/ドルは1.13ドルまで一時上昇後、1.1285ドル付近まで押し戻されました。

ドル/円は111.25円付近での小幅な値動きとなりました。しかしながら、米ドルインデックスは、97の水準を維持できず、直近では96.95で推移していました。

昨日の米消費者物価指数の脆弱な結果が、国債利回りの低下と米ドル安を引き起こしました。米2月消費者物価指数は、市場予想の前年比1.6%増を下回る前年比1.5%増の結果でした。

これにより、当面の間、FRBが「辛抱強い」姿勢を維持するとの見方が市場で強まりました。

GMT1230に発表される米1月耐久財受注は、市場が注目するでしょう。

世界の株式市場は再度下落

脆弱な物価上昇圧力、及びFRBのハト派的姿勢の維持の見通しは、米株価を上昇させました。例外は、ボーイング社の株価下落の影響を受けたダウ工業株30種でした。

ボーイング737 Maxが5か月間に二度の事故を起こしたことにより、複数の国がボーイング737 Maxの運行停止を決定しました。これにより、ボーイング社の株価は大幅に下落しました。

日経平均株価も、日1月機械受注の予想外に低調な結果が世界経済成長への懸念を浮き彫りにし、大幅安となりました。欧州セッション開始時の欧州株式市場は強弱混合の動きとなり、EU離脱問題、及び米中通商協議における進展の様子見ムードとなっています。

豪利下げ観測上昇で、豪ドル下落

本日、豪3月ウエストパック消費者信頼感指数が2015年以来の低水準となったことにより、コモディティ価格の上昇にも関わらず、豪ドルが下落しました。

消費者物価指数の脆弱な結果が、年内利下げ観測を上昇させた為、豪ドル/ドルは0.7060ドル付近まで下落しました。