XMー米ドル上昇、NZ中銀の政策会合に注目

• 安全資産の米ドル上昇；GMT1745にパウエルFRB議長の発言
• 米政府機関の閉鎖回避でリスクオンに
• NZ中銀はハト派的見解の見通し；市場予想ほどハト派的にならない可能性

米ドル上昇、しかしながら米ドル高は継続可能か？

本日も新たな材料がないにも関わらず、米ドル高が継続し、米ドルは対主要通貨で8日連続の上昇となりました。市場では、貿易問題の今月内の解決が疑問視され始めた為、貿易摩擦時の安全資産と見なされる米ドルの需要が高まっているようです。

最近の米ドル高のもう一つの要因は、他の主要通貨に対して、米ドル買いの圧力と強まっていることがあります。特に、ユーロ圏経済成長への懸念、及びEU離脱問題の不透明感を反映し、対ユーロとポンドで、米ドル高が進んでいます。

すなわち、米ドルは引き続きリスクオフ時の安全資産として見なされているようです。米ドル高の継続は、今週の米中通商協議の結果次第となるでしょう。

しかしながら、最近の米ドルの上昇スピードと上昇幅を考慮すると、短期的には慎重な姿勢が重要になるでしょう。GMT1745のパウエルFRB議長の発言は、米ドルの方向性を見極める為に注視されるでしょう。

既にハト派的姿勢にシフトしたパウエル議長が、一段と慎重な姿勢を見せて、最近の米ドル高に影響するかが注目されます。

米政府機関の閉鎖回避でリスクオンムードに

本日の米主要株価先物指数の動きによると、本日の米株式市場は大幅に上昇してのオープンとなる模様です。昨夜、米議会では与野党が暫定的な合意に達し、金曜日から予定されていた米政府機関の閉鎖が回避されました。

テキサス州での集会で演説したトランプ大統領が、「貿易問題において、素晴らしい合意に達する見通し」と発言したことも、株高要因となったようです。

本日も米企業決算発表が継続し、アクティビジョンブリザードやアンダーアーマー等の決算が発表されます。

NZ中銀はハト派的見解の見通し、しかしながら市場予想ほどハト派的見解とならない可能性

GMT0100には、ニュージーランド準備銀行が政策金利を発表します。今回の政策会合では、据え置きが予定されています。

しかしながら、最近の雇用統計での脆弱な結果により、ニュージーランド準備銀行がよりハト派的見解にシフトする可能性も予想されています。ニュージーランド経済の鈍化は鮮明になっており、世界経済のリスクも考慮すると、年内に利下げが実施されてもサプライズにはならないでしょう。

現在、0.25%の年内利下げの可能性は86％となっており、市場ではほぼ織り込み済みとなっています。ニュージーランド準備銀行がより慎重な見解を見せ、利下げ予定を明確にした場合、市場は過度にハト派的予想を維持することは困難になるでしょう。

つまり、既に市場がハト派的見解を織り込み済みの為、利下げ予定が明確に示されなかった場合、NZドルを上昇させる可能性があります。

しかしながら、NZドルの大局的な流れは、弱気相場が継続する模様です。