XMー米ドル回復、独PMIの低調な結果でユーロ下落

• 他通貨の下落で、米ドル回復
• 貿易問題解決への期待再浮上で、株価上昇
• EU側による短期的延長承認で、ポンド下落に歯止め
• 独製造業PMIの脆弱な結果が先行き悪化を示し、ユーロ下落

FOMC政策会合の米ドル回復

FOMC政策会合後、特に米ドル高に繋がる材料がなかったにも関わらず、米ドルは対6主要通貨で大幅に回復しました。特に注目すべきことは、米国債利回りは殆ど反応しなったことです。

したがって、米経済見通しや金融政策への市場の見方に変化はないことを示しています。加えて、米ドル回復の要因として、主に他通貨の下落も考えられます。

貿易問題解決への期待が再浮上し、株価上昇

昨日の米株式市場は大幅に上昇して引けました。

S&P500種は1.09%上昇し、昨年10月上旬以来の高値まで急騰しました。株高要因は明確ではありませんが、FRBがハト派的姿勢を示した後に、市場がより緩和したことや、貿易問題解決への楽観的観測が再浮上したことが要因として考えられます。

トランプ大統領は、二国間の貿易赤字解消の為に、中国側が米製品の購入枠を「2倍、或いは3倍」まで増やすことを望んでいます。もし中国側がこの要求に同意した場合、通商協議が合意に至る可能性があります。

中国側は米製品の購入枠を拡大させるための複数の選択肢を既に示していますが、ライトハイザー米通商代表部代表が主張する構造改革には消極的な姿勢を見せています。

したがって、トランプ大統領が米製品の購入枠拡大での合意に前向きな場合、市場の楽観的観測以上に、早期合意に至る可能性が高いかもしれません。

EUが離脱時期延長に合意し、ポンド安に歯止め

昨日もポンド相場が市場の関心を集めました。EU離脱問題の先行き不透明感が高まり、欧州セッション前半のポンドは急落しました。G10通貨中、ポンドは最も軟調推移した通貨となりました。

しかしながら、その後、EU側が離脱時期延長に建設的な姿勢を見せたことから、ポンドは下落幅の大部分を回復することができました。ポンド安の影響により、ユーロも軟調推移しました。

EU側は4月12日までの延長を承認し、今後3週間でメイ首相の離脱協議が議会で可決される場合には、5月22日まで延長する準備があることを示しました。

今後の可能性として、4月12日に合意なき離脱となるか、或いは英国が欧州議会選挙に参加して、離脱時期が大幅に延長されるかになるでしょう。4月12日に近づくにつれ、ポンド相場は不安定な状況が続くでしょう。

メイ首相の離脱協定案が議会で再度否決される公算が大きい為、ポンドの短期的リスクは減少傾向にあります。長期的延長の兆しが見られた場合、ポンドが大幅に回復するでしょう。

独PMI製造業PMIの脆弱な結果でユーロ下落

昨日の独3月製造業PMIの脆弱な結果を受けて、本日の欧州セッションでのユーロは大幅に下落しました。

独3月製造業PMIは前月結果の47.6から44.7まで急落し、市場予想も大幅に下回りました。

本指標結果は、第1四半期のユーロ圏経済が一段と減速したことを示している可能性があり、製造業の鈍化が今まで堅調だったサービス業まで波及するリスクを上昇させました。

これにより、ECBが利上げ時期を先送りし、追加緩和を実施する可能性が高まり、ユーロを下落させました。

カナダ消費者物価指数とカナダ小売売上高発表

本日に発表される主要な経済指標は、カナダ2月消費者物価指数、及びカナダ1月小売売上高になります。

米国では、米3月製造業PMIが注目されるでしょう。