XMー米国債利回り安定で米ドル上昇、NZ中銀の利下げ示唆でNZドル下落

• 米国債利回り安定で、米経済指標結果の脆弱な結果にも関わらず、米ドル上昇
• NZ中銀の利下げ示唆でNZドル下落
• 英議会での示唆的投票実施を控え、ポンド下落

米国債利回りの安定で、米ドル上昇

米国債利回り回復が米ドル売りの圧力を緩和させ、本日の米ドルは対主要通貨での昨日の上昇幅を拡大させました。米ドルインデックスは2週ぶり高水準96.98まで上昇しました。

ドル/円は、昨日に急騰した110.60円付近での取引となっています。

債券市場での10年物と3か月物の利回りのイールドカーブ逆転が継続していることから、市場では景気後退への懸念が依然として高まっています。今まで、10年物と3か月物のイールドカーブ逆転は、景気後退を明確に予想して来ました。

昨日に発表された米経済指標の結果は、米経済失速への懸念を強めました。米2月住宅着工件数は前月比8.7%減となり、米3月消費者信頼感指数は、市場予想を大幅に下回る124.1となりました。

世界経済見通し悪化の中、米ドルは比較的堅調推移を継続し、昨日の米株式市場での底堅い推移も米ドル上昇を支えました。

英議会での示唆的投票控え、ポンドは小幅な値動き；ユーロは下落

本日の英議会での示唆的投票で離脱交渉での次の段階が明確になることが望まれる中、ポンド/ドルは1.32ドル付近での小幅な値動きとなりました。

交渉の行き詰まりを解消する為に、GMT1900には、EU関税同盟への残留、50条の取り消し、及びメイ首相の離脱協定案等の選択肢が採決にかけられます。

最も支持を集める選択肢を明確にする為、結果が明らかとなるのは来週以降になる模様です。

EU寄りの結果、或いはEU離脱の取り消し等の結果を回避する為、与党内のEU懐疑派の議員の間では、メイ首相の離脱協定案の支持を示唆する等の見解に変化が見られます。

メイ首相の離脱協定案可決の可能性が残っているとの期待により、昨日のポンドは一時急騰しました。

一方のユーロは、対米ドルで2週ぶりの安値1.1245ドルまで急落しました。しかしながら、その後にドラギECB総裁が、ユーロ圏経済見通しに以前より楽観的見解を示したことにより、ユーロは安定しました。

NZ中銀のハト派的見解へのシフトで、NZドル下落

昨日、ニュージーランド準備銀行は、政策金利を1.75%で据え置くことを決定しました。

しかしながら、ニュージーランド準備銀行は、次の動きは利下げ方向の可能性が高いことを明らかにしました。

これにより、年内の0.25%の利下げ観測が高まり、NZドルは対米ドルで2週ぶり安値まで急落しました。

豪ドルも、オーストラリア準備銀行のトーンの変化が、よりハト派的見解へのシフトチェンジの可能性を上昇させ、値下がりました。直近の豪ドル/ドルは、0.4%下落した0.7104ドルで取引されていました。

アジアと欧州の株式市場は、強弱混合の動きとなりました。

コモディティ市場では、ゴールと原油が最近の高値から下落しました。昨日、原油価格は、供給低下を受けて、本年度の最高値付近まで上昇しました。米ドルと米国債利回りの回復により、ゴールドは1320ドルを割り込みました。

米中通商協議に再度注目

今後数日間は、重要な米経済指標発表が控えていない為、市場の関心は米中貿易問題に再度向けられるでしょう。

明日から米中通商協議が再開し、合意に向けた進展への期待が高まっています。世界経済減速への懸念が高まる中、協議の後退は市場のリスクの流れに影響するでしょう。

GMT2130には、カンザスシティー連銀のエスター総裁が発言予定です。