XMー米経済指標結果で米ドル上昇、ユーロは下落

• 米経済指標と米決算の堅調な結果で、米ドルと米株価上昇
• 米ドル高の流れ、及びユーロ圏の先行き不透明感で、ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドル下落
• イースター休暇により多数の市場が閉場の為、流動性低下の見通し

米小売売上高の強い結果で、米経済減速への懸念後退

昨日に発表された米3月小売売上高が予想外に好調な結果となり、米週次新規失業保険申請件数が約50年ぶり低水準となったことにより、米ドルが上昇しました。

経済指標結果は、米経済の底堅い動きを再度浮き彫りにしました。更に、利下げ観測も一段と後退しました。

米経済減速への懸念が緩和され、米ドルインデックスは2週間半ぶりの高水準97.49まで上昇しました。

しかしながら、世界経済減速への懸念が根強く残る中、安全資産の需要が安定している為、ドル/円は大幅な上昇にはなりませんでした。

ユーロ圏経済の見通し悪化継続

米経済指標の強い結果、及び中国経済の見通し改善とは対照的に、ユーロ圏経済指標は脆弱な結果となり、ユーロ圏の長引く景気減速、或いは景気後退への懸念が再燃しました。

ユーロ圏製造業PMIの結果は製造業鈍化を鮮明にし、サービス業PMIは予想を下回る結果となりました。

ユーロは経済指標結果を受けて下落し、その後は米ドル高の流れで一段安となりました。ユーロ/ドルは、10日ぶり安値1.1244ドルまで値を切り下げました。

イースター休暇により、ユーロ圏の殆どの市場は本日と翌週の月曜日は閉場となっています。翌週も主要な経済指標発表が殆ど控えていない為、今後数日間のユーロは、上昇要因となる材料は期待できないでしょう。

昨日の英3月小売売上高の非常に強い結果、及び最近の英経済指標の好調な結果にも関わらず、昨日のポンドは下落しました。

EU離脱問題の先行き不透明感が継続する中、ポンドは米ドル高の流れに押され、1.30ドルの主要レベルを割り込みました。

翌週には、英議会でEU離脱後のEU関税同盟への残留の是非が協議される予定の為、市場は様子見ムードとなるでしょう。

豪ドルとNZドルも下落

米ドル高の流れにより、豪ドルとNZドルも急落しました。

中国GDP結果の強い結果で0.72ドル台まで上昇した豪ドル/ドルは下落し、0.7150ドル付近で推移しています。翌週に発表される豪消費者物価指数は、利下げ見通しを見極める為に、市場が注目するでしょう。

例外だったのはカナダドルでした。今週前半に発表された消費者物価指数の好調な結果に続き、昨日のカナダ小売売上高の予想を上回る結果により、カナダドルは上昇しました。

しかしながら、ドル/カナダドルは依然としてレンジ幅内で推移しており、直近では1.3370カナダドル付近で取引されていました。翌週にカナダ中央銀行の政策会合を控え、市場は様子見姿勢を維持しているようです。

コモディティ価格に関しては、国債利回りの上昇がゴールドを約4か月ぶりの安値1270.63ドルまで押し下げました。