XMー米追関税期限延長の可能性で豪ドルと中国株価上昇、米ドル安定

• トランプ大統領が米中通商協議での「大きな進展」と3月1日の期限延長に言及
• 豪ドルと中国株価上昇、しかし市場全体は大きな反応なし
• EU離脱時期延期の可能性でポンド上昇

米国と中国が貿易問題解決に歩み寄り

トランプ大統領がツイッター上で、先週の米中通商協議において「大きな進展」があったと発言し、市場がリスクオンムードとなりました。

更に、トランプ大統領は3月1日の交渉期限を延長する考えも示しました。トランプ大統領は次の期限については明確にはしませんでしたが、「1、2週間以内に重大なニュース」がある可能性を示唆し、米中首脳会談を行う見通しを示しました。

米中貿易問題の合意観測により、2月上旬からの市場のリスクオンムードは高まっています。これにより、世界の株式市場は上昇幅を拡大させています。

知的財産権保護、及び技術移転の強制等の重要課題で米国と中国が歩み寄ったというニュースは、合意間近観測を一段と上昇させました。

中国経済の影響を大きく受ける豪ドルは最も堅調推移し、欧州セッション開始時には約0.35%上昇して0.7153ドル付近まで上昇しました。人民元も上昇し、対米ドルで7か月ぶり高値6.6730人民元まで値を切り上げました。

中国株式市場も急騰し、CSI300の終値は約6%上昇しました。

他のアジア株式市場も上昇しましたが、緩やかな上昇幅にとどまりました。欧州の主要な株式市場は、0.2％から0.4%の上昇となる模様です。

貿易問題解決期待による米ドルへの影響は限定的、パウエル議長の議会証言に注目

貿易問題合意期待により、資金が安全資産からリスク資産に移動した為、米ドルと円は若干下落しました。米ドルインデックスは96.42ドルを若干下回って推移し、直近のドル/円は110.63円で取引されていました。

今週の米ドルのリスク材料は、火曜日と水曜日に予定されているパウエルFRB議長の議会証言になるでしょう。木曜日に発表される米第4四半期GDPも注視されるでしょう。

パウエル議長はFRBの辛抱強い姿勢を改め表明する見通しで、米GDPが予想外に脆弱な結果となった場合、世界経済見通しへの懸念が一段と強まるでしょう。

NZ経済指標結果でNZドル上昇、EU離脱時期延長の可能性でポンド上昇

その他の通貨では、NZドルが豪ドル高、及びNZ経済指標の強い結果により、上昇しました。NZ第4四半期GDPは、前期比1.7%増となり、経済失速への懸念を緩和させ、NZドルを対米ドルで0.6875ドルまで押し上げました。

ユーロ/ドルは若干堅調推移し、欧州セッション開始時には1.1350ドル付近で推移していました。英国のEU離脱時期延期への観測により、ポンドは大幅に上昇し、対米ドルで1.3085ドルまで値上がりしました。

昨日、メイ首相は、今週に予定されていた英議会での離脱案の最終採決を見送り、3月12日に設定することを明らかにしました。

メイ首相が最終採決を延期したことにより、英議会内で50条延期への支持が高まるでしょう。メイ首相は、2か月の延期を検討していることが報じられています。

一方で、EU側は、交渉期間を十分に確保し、期限の延期を回避する為、英国のEU離脱の2021年までの延期を検討していることが報じられています。

コモディティ価格はやや下落、本日これからはやや静かな市場に

本日のコモディティ価格は、強弱混合となりました。原油価格は下落し、ゴールドは上昇しました。貿易問題解決への期待により、WTI原油価格は0.4%下落して、57ドルを若干上回って推移しています。

米ドル安の流れにより、ゴールドは1328ドルを若干上回って推移しています。

GMT1000に予定されているイングランド銀行のカーニー総裁による発言、GMT1600に予定されているクラリダFRB議長の発言には注目が集まるでしょう。