XMー貿易問題への楽観的観測後退でリスクオフ、パウエル議長の議会証言に注目

• 米中貿易問題解決への期待後退で、リスクオンも後退
• パウエルFRB議長の議会証言に注目
• 合意なき離脱の可能性後退で、ポンド急騰
• トランプ大統領の発言で、原油価格下落

貿易問題解決への期待後退で、株価下落、円が上昇

米中貿易問題解決への期待が若干後退した為、本日の株式市場は下落し、安全資産の円が上昇しました。トランプ大統領は米中首脳会談に前向きな姿勢を示し、「首脳会談で合意に署名する見通し」であると発言しました。

その一方で、トランプ大統領は、「合意に間もなく達するか、或いは合意には達しないだろう」とも述べ、合意期待を後退させる発言もしています。

しかしながら、先週の米中通商会談で進展があったこと、及び米国と中国が数カ月に及ぶ貿易問題の終結に意欲的な姿勢は示されました。

昨日のドル/円は、2か月ぶりの高値111.23円まで値を切り上げましたが、その後に反落しました。米ドルインデックスは、96.40ドル付近で安定推移しています。

米朝首脳会談で成果が見られない場合、今後数日の円は一段と上昇する可能性があります。今週水曜日には、ベトナムで非核化に向けた二回目となる米朝首脳会談が開催されます。

しかしながら、どのような成果が見られるかは不透明です。米国側が非核化を要求する一方で、北朝鮮側はまずは経済制裁の撤廃を要求するでしょう。

首脳会談が予想外の結果となった場合、ゴールド相場も荒い値動きとなるでしょう。現在の所、ゴールドは1325ドルで取引されています。

合意なき離脱への可能性後退で、ポンド急騰

政権内での反発緩和の為、メイ首相が合意なき離脱を回避する案を検討していることが明らかとなり、ポンドが対主要通貨で上昇しました。

3月12日の議会採決で、EU離脱協定の否決された場合、メイ首相は合意なき離脱についての採決することを検討している模様です。本日、メイ首相がリスボン条約50条の適用延長を議題に上げ、結果が本日後半にも明らかになることも報じられています。

野党労働党は、国民投票の再度実施を支持することを表明しました。

議会採決までの期限が迫る中、EU側から譲歩を引き出せていないことを考慮すると、リスボン条約50条の適用延長は不可欠でしょう。本日のポンド/ドルは約4週ぶり高値付近まで上昇し、1.3161ドル越えを達成しました。

原油価格下落でコモディティ通貨が下落

リスクオンムード後退と原油価格下落により、コモディティ通貨も下落しました。昨日、トランプ大統領が原油高を牽制する発言をしたため、原油価格が下落しました。WTI原油先物とブレント原油先物は、3％から3.5%値下がりし、本日も軟調推移を継続しています。

本日のカナダドルは、対米ドルでの安値を一段と拡大させ、欧州セッション開始時のドル/カナダドルは1.3215ドルまで上昇しました。

パウエル議長の議会証言では、FRBの辛抱強い姿勢が示される見通し

GMT1500には、パウエルFRB議長の議会証言が予定されています。パウエル議長は今までの見解を再度表明する見通しですが、年内後半のバランスシート縮小の終了に関して、より明らかにする可能性があります。

GMT1000には、イングランド銀行のカーニー総裁も、最近のインフレレポートに関して発言予定です。