XMーEU離脱案の修正でポンド一段高、英議会可決は不透明

• EU離脱協定の修正で、ポンドが一段高
• 本日の英議会採決に注目
• リスクオン回復と中国の刺激策で、株高と円安の流れ

EU離脱協定案の可決への期待で、ポンドドル1.32ドル越え

メイ首相が、バックストップの期限設定となる法定拘束力を持つ譲歩をEU側より引き出したことにより、ポンドが二日連続で最も堅調推移した通貨となりました。

バックストップに関する変更が不透明だった為、メイ首相の離脱協定案の修正が保守派議員を納得させることができるかが疑問視されていました。

したがって、本日の英議会採決前には、法務長官による修正版の離脱協定案に関する法的助言に、注目が集まるでしょう。

メイ政権に閣外協力する北アイルランドの民主統一党(DUP)が離脱協定案の支持を決定した場合、EU懐柔派の保守議員が離脱協定を支持する公算が大きくなるでしょう。

英議会採決はGMT1900頃に予定されています。

ポンド/ドルは0.6%上昇した1.3235ドルまで値を切り上げ、ユーロ/ポンドは22か月ぶり安値0.8510ポンドまで急落しました。

EU離脱のポジティブな展開と、リスクの流れに改善により、ユーロは対米ドルで若干上昇して推移しました。しかしながら、ユーロ圏経済の短期的見通しは依然としてネガティブなままとなっています。

リスクオンの流れで、円安、株高

EU離脱問題、及び米中通商協議のポジティブな進展を受けて、市場がリスクオンムードとなり、安全資産の円が下落しました。

米中通商協議は継続し、劉副首相が米通商代表部ライトハイザー代表とムニューシン財務長官と共に、次の措置に合意したことを明らかにしました。

円は対ポンドで最も下落しましたが、対米ドルでは僅かに下落し、111.37円にとどまりました。しかしながら、米ドルの対円での上昇幅は、米ドルの対ポンドとユーロの下落幅を下回り、米ドルインデックスは0.2%下落した96.99で推移しました。

リスクオンのもう一つの要因として、中国人民銀行が週末中に公表した貸出促進や借入コストの引き下げもあります。

中国株式市場は二日連続で上昇して引け、欧州主要株価先物指数は上昇してのオープンを示しています。昨日の大幅な上昇を受けて、米主要株価先物指数も大幅に上昇してのスタートを示しています。

英 GDP、及び米消費者物価指数発表

本日には、複数の英経済指標発表が控えている為、ポンドが一段と上昇する可能性があります。英1月GDPは、予想外に下落した前回結果後、回復を見せる模様です。

しかしながら、GDPが予想外に低調な結果となったとしても、英議会で離脱協定案が可決された場合には、ポンド下落に繋がる可能性は低いでしょう。

米国では、GMT1230の米2月消費者物価指数が注目されるでしょう。

米2月消費者物価指数は前年比1.6%増となる見通しで、FRBの様子見姿勢を浮き彫りにするでしょう。