XM－英中銀が慎重姿勢を示す公算大、NZドル下落

• 経済減速、及びEU離脱の先行き不透明感で、英中銀が慎重姿勢を示す公算大
• 経済指標の脆弱な結果でNZ利下げ観測上昇、NZドル下落
• 他通貨の下落により、米ドルは上昇；株価下落

EU離脱の先行き不透明感上昇で、英中銀が慎重姿勢を示す公算大

本日、市場の関心はイングランド銀行の政策会合に向けられるでしょう。今回の政策会合では、全会一致での政策金利の据え置きが予想されています。

政策会合後には、最新の経済見通し発表、及びカーニー総裁の記者会見が予定されています。最近の英PMI指数の脆弱な結果に示されたように、英経済には減速が見られます。

減速の背景には、EU離脱の先行き不透明感による投資鈍化があります。経済成長鈍化の兆し、及びEU側との合意に至らないまま離脱期限まで2か月を切ったことを考慮すると、イングランド銀行がタカ派的見解を回避する可能性が高いでしょう。

したがって、イングランド銀行が、経済減速による利上げ観測後退、及び合意なき離脱の可能性による利下げ観測上昇の可能性を指摘し、より慎重な姿勢を示す公算が大きくなっています。

現在の所、年内利上げの可能性は、55％までとなっています。イングランド銀行が利上げ観測を後退させたり、利下げ観測を上昇させると、ポンドは下落するでしょう。

政治情勢に関しては、メイ首相が欧州委員会のユンケル委員長と会談し、アイルランド国境のバックストップに関する交渉再開を試みる模様です。最近のEU側の発言内容を考慮すると、合意に至る可能性は低く、ポンドの下落圧力へのリスクが短期的に高まっています。

経済指標の脆弱な結果でNZ利下げ観測が上昇し、NZドル下落

本日のNZ第4四半期雇用統計の予想を下回る結果を受けて、NZドルが対米ドルで上昇しました。失業率の上昇、労働参加率の下落により、労働市場全体の脆弱な成長が浮き彫りとなりました。

市場では、ニュージーランド準備銀行が、オーストラリア準備銀行と同様に、次回の政策会合で利下げの可能性を示唆するとの見方を強めています。

現在の所、年内利下げの可能性は、65%までとなっています。ニュージーランド準備銀行の政策会合では、ハト派的見解が示される可能性が高まっています。したがって、翌週の会合まで主要な経済指標発表が控えていない中、NZドルの上値が重くなるでしょう。

米ドルは5日連続で上昇、株価下落

昨日の米ドルは、米ドル高の要因が特にないにも関わらず上昇し、対主要6通貨で5日連続の上昇となりました。特にポンド、ユーロ、カナダドル、豪ドル、及びNZドル等の他のG10通貨の軟調推移の恩恵を受けて、米ドルが上昇しました。

昨日のパウエルFRB議長の発言には目新しい材料がなく、市場の反応は限定的でした。本日には、GMT1430のクラリダFRB副議長の発言、及びGMT1415のダラス連銀のカプラン総裁の発言が注目されるでしょう。

昨日の米株式市場は、エレクトロニック・アーツ、及びテイクツー・インタラクティブの低調な決算結果を受けて、終値が大幅安となりました。本日も米企業の決算発表は継続し、米市場開場前にはツイッターの四半期決算が発表されます。