XM－豪中銀の中立的見解で豪ドル上昇、米株価上昇

• 新たな要因がないにも関わらず、株価上昇、円下落
• 豪中銀が予想ほどハト派寄りにならなかった為、豪ドル上昇
• 英国と米国からサービス業PMI発表

「便りの無いのは良い便り」の為、株価上昇、円下落

昨日の市場は、新たなニュースやファンダメンタルズ要因がなかったにも関わらず、リスクムードが変わりました。米株式市場は上昇し、S&P500種の終値は0.68%上昇、2か月ぶり高値を更新しました。

一方、安全資産の円は全面安となりました。リスクオンの流れより、安全資産と見なされる債権市場から資金が流出し、米国債利回りと円が上昇しました。

今回のリスクムード変更は、中国や多数のアジア諸国の旧正月による市場の流動性低下の中で起こったことは、注目に値するでしょう。

全体的な流れとして、米中通商協議合意への期待を考慮すると、株式等のリスク資産の短期的見通しは、明るくなっています。FRBが利上げ停止を決定後、市場の金融緩和が進みました。

豪中銀が利下げを示唆しなかった為、豪ドル上昇

本日、市場の予想通り、オーストラリア準備銀行は、政策金利の据え置きを決定し、政策への比較的中立的なトーンも維持しました。政策担当者は、下振れリスクの上昇を認識しつつも、経済成長が依然としてトレンドを上回っており、賃金も上昇していることを改めて指摘しました。

重要なことは、声明文において、今後の見通しが悪化した場合の利下げの可能性が示唆されなかったことです。これにより、利下げ観測が後退し、豪ドルが上昇しました。しかしながら、10月までの0.25%の利下げの可能性は、依然として35％となっています。

英国と米国からサービス業PMI発表

本日には多数の経済指標が発表されます。まず、英1月サービス業PMIが発表されます。サービス業は英国産業の80%を占めている為、経済成長を示す材料となります。

英1月サービス業PMIは、前月結果よりも下回る模様です。製造業PMIや建設業PMIの脆弱な結果が影響する場合、低下の可能性が一段と高まるでしょう。離脱問題の先行き不透明感が投資の低下に繋がり、本年度の英経済は軟調なスタートとなった模様です。

サービス業PMIも脆弱な結果となった場合、今週木曜日のイングランド銀行の政策会合において、ハト派的見解が示される可能性が上昇し、ポンドは下落するでしょう。

米国では、米1月ISM非製造業PMIが発表されます。本指標は前月結果からの低下が予想されていますが、依然として健全な水準を維持しています。先週に発表された製造業PMIのように予想外に好調な結果となった場合、経済減速への懸念を一段と後退させ、米ドルと米株価を上昇させるでしょう。

GMT0200には、トランプ大統領の一般教書演説が予定されています。通常は市場を動かす要因にはなりませんが、米政府機関が再度閉鎖される可能性やトランプ大統領による非常事態宣言の可能性が示唆された場合は、市場の注目を集めるでしょう。