XM－豪中銀総裁の発言で豪ドル急落、ポンド下落

• ロウ豪中銀総裁の発言が利下げの可能性を浮上させ、豪ドル急落
• 英サービス業PMIの脆弱な結果で、英中銀のハト派的見解の可能性
• 米株式市場は2か月ぶり高値更新

ロウ豪中銀総裁の発言により、豪ドル急落

本日、オーストラリア準備銀行ロウ総裁が若干慎重な発言を行ったため、豪ドルが対米ドルで1セント以上下落しました。ロウ総裁は、前回に発言した利上げについては言及せずに、代わりに次の金利の動きは「より均衡している模様」だと述べました。

更に、ロウ総裁は、景気が低迷した場合には利下げが適切であると発言しました。利下げは豪ドル安の要因となるでしょう。

前日に発表された豪金利政策の声明文には、利下げについて言及されていなかった為、ロウ総裁の発言は市場にとって想定外の内容でした。

これより、豪オーバーナイトインデックススワップでは、10月までの0.25%の利下げの可能性は、35%から68%まで急騰しました。豪ドルの次のリスクイベントは、金曜日に発表される政策会合の声明文になるでしょう。市場は、豪経済見通し、及び利下げの可能性が言及されるかに注目するでしょう。

英経済指標の脆弱な結果でポンド下落

英サービス業PMIの予想を下回る結果を受けて、ポンドはG10通貨中、最も軟調推移した通貨となりました。英サービス業PMIの脆弱な結果は、EU離脱の先行き不透明感による英経済成長への影響を浮き彫りにしました。

3つのPMI指数の脆弱な結果、及びEU離脱の先行き不透明感により、明日のイングランド銀行の政策会合では、慎重姿勢が示される可能性があります。

明日、メイ首相は欧州委員会のユンケル委員長と会談し、EU側が拒否してきたアイルランド国境のバックストップに関する協議再開を試みるでしょう。英国側が期間限定のバックストップを望んでいますが、EU側が合意する可能性は低いでしょう。

したがって、来週木曜日の英議会採決までの進展は期待できないでしょう。ポンド相場は、議会採決まで下落基調が継続するでしょう。英議会が離脱協定を可決した場合、離脱時期を延長した場合、或いは二回目の国民投票実施を決定した場合は、ポンドは急騰するでしょう。

反対に、離脱協定の可決、離脱時期延長、或いは二回目の国民投票実施のどれも決定されなかった場合、合意なき離脱の可能性が上昇し、ポンドは急落するでしょう。

米主要株価2か月ぶり高値更新

昨日、ナスダック指数が0.74%値上がりし、米株式市場は上昇を継続しました。ボーイング社の株価が3.32%上昇し、ダウ工業株30種も0.68%上昇しました。トランプ大統領の一般教書演説では、目新しい材料はありませんでした。

本日も米企業の決算報告が継続し、米市場開場前にゼネラルモーターズの決算が発表されます。

FX本日のこれから: 米貿易収支、及びNZ雇用統計発表

既に発表された独12月製造業受注は、市場予想を大きく下回り、ユーロ圏経済減速を明らかにしました。

米国では、政府機関閉鎖により延期となっていた11月米貿易収支が発表されます。

ニュージーランドでは、NZ第4四半期雇用統計が発表されます。市場は、年内利上げよりも、年内利下げを予想している為、本指標結果はNZドル相場に影響するでしょう。本日後半には、NZ世界乳製品取引価格指数も発表されます。