XM－IMFによる経済成長予測の下方修正で世界経済失速懸念が加速

• IMFが経済成長予測を下方修正；株価下落
• メイ首相が合意なき離脱の可能性の継続に言及
• 世界経済失速の兆しで、原油価格下落

世界経済減速懸念の中、リスクオフ継続

世界経済成長への悲観的見方が資金をリスク資産から流出させた為、本日のアジア株式市場は株安が継続しました。中国株式市場は1%以上の下落となりました。

中国第4四半期GDPが金融危機以来となる30年ぶり低水準となったことを受けて、国際通貨基金が2019年度と2020年度の成長予測を下方修正しました。

これにより、今後数カ月における世界経済失速への懸念が一段と強まりました。

中国経済減速に加え、過去3か月に2回の格付けの引き下げに踏み切った世界的金融機関は、欧州と新興国での経済失速が今後の重要課題として挙げました。更に、米中貿易問題や英国のEU離脱問題で解決を見出せなかった場合、状況の一段の悪化が予想されています。

経済減速のニュースと市場の反応により、今後の数セッションではリスクオフムードが継続する模様です。

今週の水曜日と木曜日には、日銀とECBの政策会合が予定されていますが、現在の状況から考慮すると、現行の金融政策は据え置かれるでしょう。

本日の円高、リスク通貨の豪ドル安、及びゴールドの上昇は、経済局面移行の兆しへの市場の素早い反応を示しています。しかしながら、経済局面移行がハードランディングになるか、ソフトランディングになるかを今後見極める必要があります。

代替案では変更点の詳細は明らかにされず

昨日、メイ首相が提出した代替案では、アイルランド国境のハードボーダーに関する懸念の解決策について十分な詳細が提示されなかったことにより、ユーロとポンドは一段安となりました。

更に、メイ首相は合意なき離脱の可能性が残っていることを明らかにし、EU側からアイルランド国境のバックストップについて譲歩を引き出すことに前向きの姿勢を示しました。代替案での変更点の詳細が明らかにされなかったことにより、翌週火曜日の議会採決では混乱が継続するでしょう。

したがって、ポンド買いの圧力も弱まりました。

本日は、英12月雇用統計が発表されます。市場の関心はEU離脱問題に向けられている為、予想外に好調な結果によるポンド上昇は継続しないでしょう。

EU離脱問題の先行き不透明感が継続する限り、二回目の国民投票の可能性も上昇することに留意する必要があるでしょう。

原油価格下落

世界経済成長への悲観的な見方は、原油相場にも影響しました。国際通貨基金の悲観的予測が、今年度の原油需要低下を市場に予測させました。WTI原油先物とブレント原油先物は、昨日の高値から下落し、それぞれ0.78％と0.81%値下がりしました。

しかしながら、2018年後半からスタートしたOPECの減産により、大幅な原油安を阻止される模様です。

FX本日のこれから発表される指標と動き

本日、スイスではダボス会議が開催されます。しかしながら、トランプ大統領、メイ首相、マクロン大統領、及び習国家主席の欠席により、ダボス会議は例年ほどの注目は集めないでしょう。

明日に発表されるNZ第4四半期消費者物価指数は、NZドル相場への影響により、注目を集めるでしょう。

米国では企業の決算報告が継続し、株式市場オープン前に、IBM 、USB、及びジョンソン・アンド・ジョンソン等の有名企業の四半期決算が発表される予定です。