XMFXー貿易問題の楽観的観測後退で株価下落、経済成長への懸念再浮上

• 地政学リスクと貿易問題のリスク上昇、中国経済指標の弱い結果でリスクオフ
• 合意なき離脱の可能性後退でポンド急騰
• 米原油在庫減少で原油価格回復、しかしながら需要見通し悪化で下落
• 独消費者物価指数、米GDP、及びFOMCメンバーの発言に注目

地政学リスクと貿易問題のリスク上昇、中国経済指標の弱い結果でリスクオフ

昨日の米株式市場は緩やかに下落して引けました。経済、及び政治的リスク要因により、本日の主要株価先物指数は、株価が一段と下落する可能性を示しています。

中国政府が技術移転の強制等において、依然として「大きな隔たり」があるとの見方を明らかにした為、貿易問題への懸念が再浮上しました。通商代表部のライトハイザー代表も、合意締結までかなりの多くの作業が必要であると発言し、より慎重な姿勢を見せた為、貿易問題解決への期待を後退させました。

更に、インドとパキスタン情勢の緊迫化により、地政学リスクも上昇しています。核保有国の対立も、市場のリスクオフの流れを強めています。

中国PMI指数と日経済指標の脆弱な結果が「世界経済減速」の流れを浮き彫りにし、リスク資産から資金が流出しました。アジア株式市場は全面安となりました。

外国為替市場では、円とスイスフランが最も堅調推移した通貨となりました。

合意なき離脱の可能性後退でポンド急騰

昨日、合意なき離脱の可能性が後退する中、EU離脱時期延長の公算が大きくなり、ポンドが上昇を継続しました。ポンド/ドルは、一時1.33ドル越えを達成しました。

ポンドの長期的見通しは明るくなっていますが、健全なポンド高の開始と判断するには、依然として時期尚早でしょう。

EU離脱問題においては、大きな進展は見られていません。メイ首相は、英議会での離脱協定案の可決を可能にさせる、アイルランド国境のバックストップでの法的拘束力を持つ譲歩をEU側から引き出せていません。

2、3か月の延長が予測される為、夏頃にも同様の膠着状態への直面が予想できるでしょう。今後のポンドは、スムーズな動きよりも、EU離脱の不透明感が解消されるまで、荒い値動きとなるでしょう。

米原油在庫減少で原油価格回復、しかしながら需要見通し悪化で下落

昨日に発表された米原油在庫に大幅な減少が見られたことにより、原油価格が上昇しました。サウジアラビアのエネルギー相が、6月末に終了予定のOPECの減産を延長する可能性を示唆したことも、原油価格を一段と押し上げました。

しかしながら、本日発表された中国PMIの脆弱な結果が、原油需要低下を予測させ、本日の原油価格は下落に転じました。

独消費者物価指数、米GDP、及びFOMCメンバーの発言に注目

本日に注目される経済指標は、独2月消費者物価指数、及び米第4四半期GDPになるでしょう

本日には、複数のFOMCメンバーによる発言が控えています。GMT1300にはクラリダFRB副総裁が、GMT1350にはアトランタ連銀のボスティック総裁が、GMT1715にはフィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、GMT1800にはダラス連銀のカプラン総裁が発言予定です。