XMFX－ファーウェイ問題で貿易問題への懸念上昇、EU離脱問題の進展注視

• ファーウェイ問題が貿易問題への懸念を上昇させ、株価下落
• GDP発表控え、ポンドは低調推移；メイ首相による英議会承認先送りの可能性
• OPEC会合で減産合意、しかしながら、世界経済成長鈍化への懸念で原油安

ファーウェイ問題の継続で株価下落

昨日、中国政府は在中国アメリカ大使を呼び出し、ファーウェイCFOのカナダでの逮捕に抗議しました。これにより、米中の緊張が一段と高まりました。本日のアジア株式市場は、全面安となりました。

日第3四半期GDPの改定値が予想外に下方修正された為、市場から資金が流出し、アジア株式市場では日経平均株価が最も下落しました。リスクオフの流れにも関わらず、先週金曜日の米雇用統計の脆弱な結果により、米ドルも対円で0.22%下落しました。米11月雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を下回り、より重要な平均賃金にも鈍化が見られました。

これにより、翌年の利上げ停止観測を上昇させることになりました。貿易摩擦、及び翌年の利上げ停止観測により、今後数カ月の米ドルは上値が重くなる可能性があります。本日の米主要株価先物指数は、0.50%下落してのオープンを示しています。

昨日に発表された中国11月消費者物価指数、及び中国11月生産者物価指数は予想外に脆弱な結果となり、消費と生産の鈍化だけでなく、米中貿易摩擦の長期化への懸念が浮き彫りとなりました。昨日、トランプ政権は、90日間以内に解決しない場合には、米国は追加関税を発動する姿勢を示しました。

ポンドはGDP結果待ち

EU離脱問題の進展に市場の注目が集まる中、今週火曜日には英議会でメイ首相の合意案が採決されます。

本日には、英国の国家統計局がGDP対前3か月変動を発表し、前回結果の0.6%増から0.4%増への低下が予想されています。英第3四半期GDPは、前回結果の前年比1.5%増から前年比1.6%増への改善が予想されています。

しかしながら、市場の関心は、指標結果よりも、EU離脱問題の進展に向けられるでしょう。

英議会内の離脱案への反発により、下院過半数の承認を得られる見通しは立っておらず、大差で否決された場合には、メイ首相退陣の可能性もあります。

本日、メイ首相は明日の議会承認を先送りし、木曜日にEU側と離脱案譲歩の交渉をする可能性も残されています。本日のポンド/ドルは、先週の安値1.2727ドル付近で取引され、低調推移を継続しています。しかしながら、ポンドは対ユーロでは約2か月ぶり安値まで急落しました。

OPEC会合で減産合意

OPEC会合では、加盟国、及びロシアを含む非加盟国が、2018年10月の生産量からの日量120万バレルの減産を翌年1月より実施することを決定しました。

この決定を受けて、先週金曜日のブレント原油先物は2.60%上昇して引けました。本日も、ブレント原油先物は堅調推移を継続し、61.80ドル付近で取引されていました。

中国と日本の経済指標の脆弱な結果、及び米中関係の緊迫化による世界経済鈍化への懸念を受けて、一方のWTI原油先物は52.42ドルまで下落しました。

FXその他のニュース

その他のニュースでは、GMT0930にはユーロ圏12月Sentix投資家信頼感指数が発表され、4か月連続での鈍化が予想されています。イタリアとフランスの政治的不透明感が、投資家心理に影響している模様です。

米国では、GMT1500に米JOLT求職が発表されます。カナダでは、GMT1330にカナダ10月住宅建設許可件数が発表されます。先週金曜日の雇用統計に続き、好調な結果となった場合には、カナダドル高の要因となるでしょう。