XMFX－リスクオフの流れが継続するものの、NZドル上昇

• 経済成長減速と貿易問題への懸念で、リスクオフ継続
• 日銀は現行の政策の継続の見通し-円の反応は限定的
• 好調なCPI結果で、NZドル上昇

経済成長減速と貿易問題への懸念で、リスクオフ継続

世界経済成長への懸念、及び貿易問題の先行き不透明感により、本日も市場ではリスクオフムードが継続し、資金がリスク資産から安全資産に流れました。

本日前半には、米国がファーウェイCFOの身柄引き渡しをカナダに要求する方針が報じられ、市場のリスクオフの流れが一段と強まりました。更に、翌週に控える米中通商協議前の事前協議を米国が拒否したことも、市場の懸念を一層強めました。

その後に発表された独1月ZEW景況感調査、及び米12月中古住宅販売件数は市場予想を下回り、世界経済減速を一段と浮き彫りにしました。

祝日明けの米国市場では、米株価が下落しました。S&P500種とダウ工業株30種がそれぞれ1.42%と1.22%下落したものの、共に50日平均線付近がサポートラインとなり、再度上昇しました。

外国為替市場では、円が対主要通貨で上昇しました。原油安に反応して、豪ドルやカナダドル等のコモディティ通貨は下落しました。

翌週に控えた米中通商協議には、ムニューシン米財務長官 、米通商部代表のライトハイザー代表、及び中国の劉副首相が参加する為、市場が注視するでしょう。

強制的な技術移転等の重要課題に進展がないことに、米国側は不満を表しています。米国が重要課題の譲歩に前向きな長期的解決策となるか、或いは市場が殆ど反応しないが短期的解決策となるかが、注目されるでしょう。

日銀：当面の間は現行の政策維持の見通し

本日、市場で広く予想されていましたように、日銀は緩和プログラムとフォワードガイダンスの据え置きを決定しました。日銀はインフレ見通しを下方修正したものの、脆弱な物価上昇圧力を考慮すると、市場にとってサプライズではありませんでした。

総じて、最近の経済指標の脆弱な結果、及び貿易問題のリスクにより、当面の間は、日銀が緩和政策を終了させる見通しはないようです。日銀の緩和政策は円安要因となるものの、安全資産という円の性質上、市場のリスクの流れが円相場により影響するでしょう。

CPIの好調な結果でNZドル上昇

本日に最も堅調推移した通貨はNZドルで、対米ドルで約0.5%上昇しました。NZドル高の要因となったのは、NZ第四四半期GDPの予想を上回る結果でした。

NZ第四四半期GDPは前年比1.9%増となり、市場予想の前年比1.8%増を上回りました。本指標結果は物価上昇圧力が十分に維持されていることを明らかにし、年内後半の利下げの可能性を後退させました。

第3四半期GDPの脆弱な結果、及び米中貿易問題による景気の下振れリスクにも関わらず、ニュージーランド準備銀行は、当面の間は、現行の政策を維持する見通しです。