XMFX－FOMC政策会合を控え、米ドルインデックスは高水準付近

• FOMC会合での利上げ観測により、米ドルは高値維持
• 世界経済失速の兆しで、リスクオフの流れ
• ホリデーシーズンによるEU離脱問題の進展が期待できない中、ポンドは様子見ムード

米小売売上高の強い結果で、米ドル高継続

欧州と中国の経済指標の脆弱な結果に対して、米11月小売売上高の強い結果により、米ドルが上昇しました。米第4四半期GDPが好調な結果となった場合、2019年前半での少なくとも1回の利上げの可能性が上昇するでしょう。

今週水曜日から二日間の工程で開始するFOMC政策会合を控え、市場は0.25%の利上げを織り込んでいます。市場の関心はフォワードガイダンス、及び翌年の利上げ見通しに向けられるでしょう。

貿易問題のリスク、及び経済失速の兆しで、株安とリスクオフムードに

年末に向けて、株価と市場の全体的な流れは、リスクオフムードが若干強まっています。先週金曜日のS&P500種は約2%下落し、今年の最低水準からさほど遠くない水準で推移しています。

通常、株高となる傾向がある12月において、S&P500種の5.8%の値下がりは顕著な下落となります。

米ドルはリスク逃避先資産と見なされている為、市場のリスクオフムードは米ドル高の要因となっています。現在のリスクオフの流れの中、リスク逃避先資産として最も人気のある円に対して、米ドルは底堅く推移しています。

リスク資産は下落しているものの、下落は比較的緩やかになっています。市場が回復するには、米中通商協議の進展の兆し等が必要になるでしょう。FRBによるハト派的見解の期待が、一段のリスクオフの流れの加速を防いでいる模様です。

ポンドは横ばい推移

先週に、メイ首相が離脱案の議会承認の先送りを決定したことにより、ポンドは対米ドルで20か月ぶり安値まで急落して以来、横ばい推移を継続しています。メイ首相留任のニュースには、ポンドは殆ど反応を見せませんでした。

翌年3月の離脱を前に、EU離脱交渉は行き詰まりとなっています。メイ首相の離脱案の議会承認の可能性が依然として低い一方で、EU側は離脱協定の再交渉はしない方針を示しています。

行き詰まり打開には、二回目の国民投票、総選挙、合意なき離脱を若干修正した案の議会承認、或いは完全な合意なき離脱等の複数のシナリオがあります。大きなサプライズがない限り、年内には大きな進展は期待できないでしょう。

したがって、ポンドは最近の安値付近でのレンジ相場に突入する可能性があります。EU離脱問題への進展が期待できない中、ポンドトレーダーの関心は、今週に発表される英消費者物価指数、英小売売上高、及び第3四半期GDP等の重要な経済指標、及びイングランド銀行の政策会合に向けられるでしょう。

ユーロ圏消費者物価指数、NY連銀製造業景気指数、及び米住宅指数発表

本日これから発表される主要な経済指標は、ユーロ圏11月消費者物価指数・改定値になります。ユーロ圏消費者物価指数・改定値は、速報値とほぼ同様となる為、大きな動きはないでしょう。

ユーロ圏11月消費者物価指数・改定値は、前年比2%増となる模様です。一方、コアの消費者物価指数は、前年比1%増の予想で、インフレはECBにとって問題とはならない模様です。

米国では、米12月ニューヨーク連銀製造業景気指数が発表され、23.3から20.6への鈍化が予想されています。米12月NAHB住宅市場指数は、前回と同様の60となる模様です。