XMFX–米ドルは米雇用統計待ち、株高継続2021/05/07
- 米雇用統計の発表控え、米ドルは今週の安値まで下落
- 株価は後半で回復、しかしながら3段変速ギア市場
- 英中銀の債券購入ペース削減の発表後、ポンドは方向性が定まらない展開
- ゴールドは上昇幅拡大
米非農業部門雇用者数:どれくらいが強すぎる結果?
本日の市場の関心は、米4月雇用統計に向けられるでしょう。米4月非農業部門雇用者数は、97.8万人増が予想されています。
先月、米国ではワクチンが広く普及し、経済活動も再開しました。
現金給付により消費も活発になり、企業は夏季の需要増加に備えて、雇用を増やしました。
最近の複数の雇用統計から判断すると、米4月雇用統計は堅調な結果となるでしょう。
米4月非農業部門雇用者数の調査が実施された週の米週次新規失業保険申請件数は、前回よりも大幅な改善が見られました。PMI指数に関しては、ISM製造業景況指数以外は、雇用増加の兆しを示しました。
市場の反応は、米雇用統計の結果にサプライズ要因がどれだけ含まれているか次第となるでしょう。
FRBは、労働市場の回復は依然として不十分である為、テーパリング協議には時期尚早であるとの認識を繰り返し示しています。
したがって、米4月非農業部門雇用者数が80万人増付近のように、強い結果であるものの、FRBがタカ派寄りとなるリスクはない結果となった場合、株式のようなリスク資産にとってポジティブな要因となるでしょう。
米4月非農業部門雇用者数が70万人増を割り込んだ場合、FRBの慎重姿勢で米ドルは下落するものの、量的緩和継続の見通しが、株価を下支えするでしょう。
反対に、米4月非農業部門雇用者数が200万人増付近となった場合、米ドルは上昇するものの、株式市場では強すぎる結果と見なされ、投資家が夏季のテーパリング協議を織り込み、慎重ムードとなるでしょう。
株価は一段高、しかしながら、FX市場の流れに変化
昨日の米株式市場は、やや緊張したムードとなりました。
ダラス連銀のカプラン総裁がテーパリング協議は早期開始が望ましいと発言し、株価が若干下落しました。
現在、テーパリング協議の早期開始を支持しているのはカプラン総裁のみです。
カプラン総裁は2023年まで投票権がない為、市場への影響は限定的です。セッション後半の株価は回復し、ダウ工業株の終値が最高値を更新しました。
株式市場は全体的に堅調に推移していますが、最近のハイテク銘柄の上昇勢いに鈍化が見られます。投資家の姿勢に質重視への変化が見られ、投機株からバリュー株へ資金が流れました。
注目に値することは、今回の株式市場の変化に繋がる明確な要因がなかったことです。投機的な流れが加速するにつれ、ムードに変化が現れるのは当然の流れですが、多数のバリュエーションの高い銘柄が依然として高値を継続している為、どこで底を打つかの判断は困難でしょう。
ポジティブな面は、今回の株式市場の動きは、全体的な強気相場が長く継続する健全な兆候でもあります。
バブル的な要素が、株式市場全体を巻き込まないでほぼ解消された為、今後の大きな調整のリスクが減少しました。これにより、今後のより持続可能な上昇の環境が整いました。
ポンドは方向性が定まらない様子、ゴールドは上昇幅拡大
昨日のポンドは上昇しました。イングランド銀行は、債券購入ペースの減速を決定しましたが、購入枠は維持される為、テーパリングではないと強調しました。
購入ペースの減速により、購入期間が延長したことになります。スコットランドの議会選挙に関しては、投票結果待ちです。
ゴールドは再度上昇し、3か月ぶり高値1800ドル越えを達成しました。
ゴールドが1800ドル越えで今週の取引を終えた場合、テクニカル上では大きな転換となります。
インフレが上昇する中、FRBが緩和政策継続の姿勢を示している為、ゴールド高の流れが一段と強まるでしょう。
本日には、カナダ4月雇用統計も発表され、市場の関心を集めるでしょう。
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