XMTradingー米金利据置で米ドル安、BOE政策金利発表

• FRBの「ドットプロット」が年内据え置きを示し、米ドル下落
• メイ首相の短期的延長申請でポンド下落；BOE政策会合とEUサミットに注目
• スイス政策金利据え置き、市場介入示唆

FRBによる年内据え置きの見通しで米ドル下落、利下げ観測上昇

昨日のFOMC政策会合は、予想外の結果となりました。

市場の予想通り、金利政策に変更はなかったものの、政策金利の見通しを示す「ドットプロット」を大幅に下方修正し、2019年には政策金利が据え置かれ、2020年には一度の利上げのみが実施されることを示しました。昨年12月に公表された前回の「ドットプロット」では、2019年に二回の利上げを示していたことを考慮すると、今回は想定以上の変更となりました。

更に、バランスシート縮小が9月に停止される見通しであることも明らかにされました。

FOMC政策会合の結果を受けて、米ドルと米国債利回りが急落しました。市場の反応度合いから判断すると、FRBの予想以上のハト派的見解は市場を驚かせた模様です。

これにより、先物市場での調整が引き起こされ、年内利下げ観測が大幅に上昇しました。今回のFOMC政策会合では、当面の間、FRBは利上げを据え置くことが明らかとなりました。市場は、FRBの見解を、経済が減速した場合には、利下げに踏み切ると解釈したようです。

FRBのハト派的見解を受けて、米株式市場は若干上昇しました。しかしながら、その後、上昇幅を維持することができず、下落して引けました。トランプ大統領が、「かなりの期間」関税を据え置く見通しであると発言した為、株式市場に影響したようです。

メイ首相の短期的延長申請でポンド下落、BOE政策会合に注目

しかしながら、米ドルが最も軟調推移した通貨ではありませんでした。メイ首相が6月末までの短期的延長を申請したことが報じられ、ポンドが米ドルよりも大幅に急落しました。

EU側は6月末までの延長に前向きではなく、より短期的となる5月末までの延長、或いはより長期的となる約2年程の延長を望んでいるようです。

英国が希望した短期的延長が認められたとしても、メイ首相の離脱協定案が英国議会で承認されなかった場合、合意なき離脱の可能性が大きくなります。英国が次回の欧州議会選挙に参加しない場合、6月末以降の再延期は不可能になるからです。

本日も、ポンドにとって重要な一日となるでしょう。本日に開催されるEUサミットでは、メイ首相が新生した離脱時期延長が協議されます。GMT1200には、イングランド銀行の金融政策が発表されます。

EU離脱問題の先行き不透明感の為、イングランド銀行の政策会合では、現行の政策が据え置かれる模様です。英経済成長は、明らかに鈍化しています。しかしながら、秩序のあるEU離脱は先行き不透明感を解消し、イングランド銀行の介入なしに経済成長が可能になるとの理由から、イングランド銀行はハト派寄りの見解を示していません。

現在の所、EU離脱問題は混乱が継続していますが、イングランド銀行が政策を変更する可能性は低いでしょう。もしイングランド銀行が見解を変えた場合、より慎重な見解への変更となるでしょう。

英政策発表の数時間前には、英2月小売売上高が発表されます。

スイス国立銀行は超ハト派的見解維持

本日、スイス国立銀行は、市場の予想通り、現行の政策金利を最低水準で据え置くことを決定しました。スイス国立銀行は、経済見通しを下方修正し、スイスフラン高に再度言及しました。

更に、必要に応じて、市場介入を継続する姿勢を示しました。新たな材料がなかった為、スイスフランは殆ど反応しませんでした。